オン・ザ・ジョブ・トレーニング(介護福祉士試験)

介護福祉士試験

【問題1】
D介護福祉職は、利用者に対して行っている移乗の介護がうまくできず、技術向上を目的としたOJTを希望している。
次のうち、D介護福祉職に対して行うOJTとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 専門書の購入を勧める。
2 外部研修の受講を提案する。
3 先輩職員が移乗の介護に同行して指導する。
4 職場外の専門家に相談するように助言する。
5 苦手な移乗の介護は控えるように指示する。

【解説】
1 × OJTとは職場内で先輩職員が実践を通して後輩職員を育てていく方法である。専門書の購入はこれに当てはまらない。
2 × 外部研修の受講はOff The Job Training(OFF-JT)にあたる。
3 ○ 先輩職員が現場で直接指導しているのでOJT(On The Job Training)である。
4 × OJTは職場の中で知識やスキルを直接伝えていく方法なので、職場外の専門家に相談することは当てはまらない。
5 × 苦手な仕事を控えるのではなく、実践を通して学んでいくことがOJTである。

【問題2】
近年、人と人、人と社会とがつながり、一人ひとりが生きがいや役割をもち、助け合いながら暮らしていくことのできる、包括的なコミュニティ、地域や社会を創るという考え方が示されている。この考え方を表すものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ナショナルミニマム(national minimum)
2 バリアフリー社会
3 介護の社会化
4 生涯現役社会
5 地域共生社会

【解説】
1 × ナショナルミニマムとは、国が国民に保障する最低限の生活水準のことである。日本では日本国憲法第25条に「健康で文化的な最低限度の生活」と規定されている。
2 × バリアフリー社会とは、多様な人が社会に参加する上での障壁(バリア)をなくした社会のことである。
3 × 介護の社会化とは、家庭内・家族が担ってきた介護を社会共通の課題として捉え、社会全体が担っていくという考え方である。
4 × 生涯現役社会とは、企業における高年齢者雇用の拡大や地域における就業機会の確保、社会参加の場の拡大などを通じて、高年齢者が生き生きと暮らしている社会のことである。
5 ○ 地域共生社会とは、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会である。

【総括的な説明】
これらの問題は現代の社会福祉における2つの重要な側面を扱っています:

1. 人材育成の方法論:
問題1は、介護職員の技術向上における効果的な教育方法としてのOJTの重要性を示しています。OJTは単なる知識伝達ではなく、実践的な現場での学びを重視する手法です。これは介護という対人支援の専門性を高める上で特に重要な研修方法といえます。

2. 地域福祉の理念:
問題2は、現代の地域福祉が目指す理想的な社会像としての「地域共生社会」の概念を問うています。この概念は以下の要素を含んでいます:
– 多様な主体の参画
– 世代や分野を超えた連携
– 個人の生きがいの尊重
– 地域全体での支え合い
– 住民主体の地域づくり

これら2つの問題は、現代の社会福祉が「専門性の向上」と「地域での包括的な支援体制の構築」という2つの方向性を持って発展していることを示しています。特に地域共生社会の考え方は、従来の縦割り的な福祉サービスから、より包括的で統合的な支援体制への転換を示す重要な概念となっています。う

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