ロコモティブシンドローム(介護福祉士試験)

介護福祉士試験

それでは、問題を2つのパートに分けて詳しく解説していきます。

【第1問:家族の変容に関する問題】

 

問題文:
家族の変容に関する2015年(平成27年)以降の動向として、最も適切なものを1つ選びなさい。

選択肢:
1. 1世帯当たりの人数は、全国平均で3.5人を超えている。
2. 核家族の中で、「ひとり親と未婚の子」の世帯が増加している。
3. 50歳時の未婚割合は、男性よりも女性のほうが高い。
4. 65歳以上の人がいる世帯では、単独世帯が最も多い。
5. 結婚して20年以上の夫婦の離婚は、減少している。

 

 

正解:2

 

解説:
– 選択肢1:×
2020年の国勢調査では1世帯当たりの平均人数は2.33人で減少傾向が続いています。

– 選択肢2:○
ひとり親世帯は増加傾向にあり、特に母子世帯の増加が顕著です。この背景には離婚率の上昇や未婚の母の増加などがあります。

– 選択肢3:×
2015年時点で、生涯未婚率は男性23.4%、女性14.1%で男性の方が高く、その後もこの傾向は継続しています。

– 選択肢4:×
65歳以上がいる世帯では、夫婦のみの世帯が最も多く、次いで単独世帯となっています。

– 選択肢5:×
厚生労働省の統計によると、婚姻期間20年以上の熟年離婚は増加傾向にあります。

【第2問:健康長寿社会に関する問題】

題文:
健康長寿社会に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

選択肢:
1. WHOは、健康とは病気や障害がないことであると定義している。
2. 健康寿命を延ばすために、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)対策が重要である。
3. 2010年時点の日本における平均寿命と健康寿命の差は、男性が約5年、女性が約8年である。
4. 2014年時点の日本におけるがんの部位別死亡者数は、男女ともに胃がんが最も多い。
5. 「健康日本21(第2次)」における飲酒に関する目標には、未成年者の飲酒防止は含まれていない。

 

 

正解:2

 

詳細解説:
– 選択肢1:×
WHOは健康を「完全な肉体的(physical)、精神的(mental)、社会的(social well-being)な良好状態であり、単に病気や虚弱でないことではない」と定義しています。

– 選択肢2:○
ロコモティブシンドロームは、骨や関節、筋肉など運動器の衰えが原因で起こる症候群で、その対策は健康寿命の延伸に直接的に関係します。

– 選択肢3:×
実際の差は男性が約9.13年、女性が約12.68年とより大きい数値でした。

– 選択肢4:×
2014年時点で、男性は肺がん、女性は大腸がんが死亡者数の最も多いがん種でした。

– 選択肢5:×
「健康日本21(第2次)」では、2022年までに未成年者の飲酒率を0%にすることを具体的な目標として掲げています。

詳細解説

それでは両方のテーマについて詳しく解説していきます。

【ひとり親と未婚の子の世帯増加の背景】

1. 離婚率の上昇
– 1990年代以降、離婚率は緩やかな上昇傾向
– 特に熟年離婚(結婚20年以上での離婚)の増加
– 女性の経済的自立の可能性の向上が一因

2. 未婚化・晩婚化の進行
– 結婚に対する価値観の多様化
– 経済的不安定さによる結婚の先送り
– 非正規雇用の増加による経済基盤の弱体化

3. 社会的要因
– 仕事と育児の両立の困難さ
– 育児支援体制の不足
– 男女の役割分担に対する意識の変化

4. 経済的要因
– バブル崩壊後の長期不況の影響
– 若年層の所得低下
– 雇用の不安定化

【ロコモティブシンドローム(ロコモ)について】

1. 定義
– 運動器の障害により移動機能が低下した状態
– 進行すると要介護になるリスクが高まる
– 2007年に日本整形外科学会が提唱した概念

2. 主な症状
– 筋力の低下
– 関節の痛みや動きの制限
– バランス能力の低下
– 歩行速度の低下

3. 原因
– 加齢による筋力低下
– 骨粗しょう症
– 変形性関節症
– 脊柱管狭窄症
– 運動不足

4. 予防・対策
– 適度な運動(ウォーキング、ストレッチ等)
– バランスの良い食事(特にタンパク質とカルシウム)
– 定期的な運動器の検査
– ロコトレ(ロコモーショントレーニング)の実施

5. 重要性
– 健康寿命の延伸に直接的に影響
– 高齢者のQOL(生活の質)の維持
– 医療費・介護費の削減
– 要介護状態の予防

6. 社会的影響
– 超高齢社会における重要な健康課題
– 介護予防の観点から注目
– 医療費抑制の視点からも重要

このように、ひとり親世帯の増加は社会・経済的な複合要因によって引き起こされており、ロコモティブシンドロームは高齢化社会における重要な健康課題として認識されています。両者とも現代日本社会が直面する重要な課題であり、適切な対策が求められています。

 

 

動画生成: NoLang (no-lang.com)
VOICEVOX:波音リツ

Images:
Kabuki Syndrome 5 by Damaris Hinic, CC BY-SA 4.0
Down Syndrome Child by NadineLive, CC BY-SA 4.0 (https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Down_Syndrome_Child.jpg)
Down Syndrome Ribbon by MissLunaRose12, CC BY-SA 4.0 (https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Down_Syndrome_Ribbon.png)
Kabuki Syndrome 7 by Serena Burks, CC BY-SA 4.0 (https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kabuki_Syndrome_7.jpg)
PMC5336871 Ergul 2015 Timothy syndrome syndactyly by Y Ergul et al., CC BY 4.0 (https://commons.wikimedia.org/wiki/File:PMC5336871_Ergul_2015_Timothy_syndrome_syndactyly.jpg)

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