福祉の問題は「我が事」(介護福祉士試験)

それでは、問題と解説を行います。

【問題06】
現在の日本の雇用に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1. 終身雇用型の正規雇用はなくなった。
2. 正規雇用も非正規雇用も、雇用保険の加入率に差はない。
3. 65歳以上の者の就業率は2011(平成23)年以降減少している。
4. 非正規雇用の割合は、全雇用者数の3分の1を上回っている。
5. パート・アルバイトの割合は、非正規雇用労働者数の30%を下回っている。

正解:4

 

【解説06】
1. ×:終身雇用型の正規雇用は減少傾向にはあるが、なくなったわけではない。
2. ×:非正規雇用の雇用保険加入率は上昇傾向にあるものの、正規雇用と比べると依然低い状態である。
3. ×:総務省の労働力調査によると、65歳以上の就業率は2011年の19.2%から2022年の25.2%まで、毎年増加し続けている。
4. ○:総務省の労働力調査によると、2022年の全雇用者数のうちの非正規雇用者の割合は36.9%と3分の1を上回っている。
5. ×:総務省の労働力調査によると、2022年の非正規雇用労働者2,101万人のうちパートは1,021万人、アルバイトは453万人で、合計すると1,474万人(70.2%)となり、3分の2を上回っている。

【問題07】
2016年(平成28年)に閣議決定された、「ニッポン一億総活躍プラン」にある「地域共生社会の実現」に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1. 日本型福祉社会の創造
2. 我が事・丸ごとの地域づくり
3. 健康で文化的な最低限度の生活の保障
4. 社会保障と税の一体改革
5. 皆保険・皆年金体制の実現

正解:2

【解説07】
1. ×:日本型福祉社会は1970年代に提唱された言葉で、高齢社会を見据えて家族の老親扶養の機能を含み資産として評価し、福祉サービスはその維持や援助を図るべきだとする考え方である。
2. ○:誰もが福祉の問題を「我が事」として受け止め、従来の縦割りの公的支援から分野や制度を越えた「丸ごと」の支援を行い、地域全体で共生していく社会をめざしている。
3. ×:健康で文化的な最低限度の生活の保障は、日本国憲法第25条が国民の権利として謳っている「生存権」の内容を説明する言葉である。
4. ×:社会保障と税の一体改革は、社会構造の変化を踏まえ、税制と社会保障制度を一体的に改革することで社会保障制度の安定化と財政の健全化を図る方策である。ニッポン一億総活躍プラン以前の2012年に社会保障・税一体改革大綱が閣議決定されている。
5. ×:皆保険・皆年金の体制は、全面的に改正された国民健康保険法と新設された国民年金法がスタートした1961年に実現した。

【補足解説】
これらの問題は、日本の雇用状況と社会保障制度の現状について問うものです。

問題06では、特に非正規雇用の増加という現代の雇用情勢の変化を理解することが重要です。36.9%という数字は、日本の労働市場における非正規雇用の比重が極めて大きいことを示しています。

問題07では、「ニッポン一億総活躍プラン」における地域共生社会の考え方がポイントです。特に「我が事・丸ごと」という考え方は、従来の縦割り行政や制度別の支援から、包括的な支援体制への転換を示す重要な概念となっています。これは現代の地域福祉における重要な政策理念として位置づけられています。

それでは歌で覚えましょう

SUNO AI

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